約6年ぶりに更新された「Autodesk Maya トレーニングブック 第4版」を読んでみましたので、レビューを書いてみたいと思います!(`・ω・´)ゞ
どんな本?
最新のバージョンである「Maya 2018」を使いながら「日本語で学べる」唯一の本です!インターフェイスも日本語に設定されているので安心!CG関連の情報は英語が多いですが、日本語で学べるのはありがたいですね(*´ω`*)b
本書は、大きくわけて「基礎編」「作例編」に分かれています。
チャプターごとにサンプルのシーンが用意されており「本を読みながらデータを触ってMayaの操作方法を実感」する事が出来ます!なんと、総容量2.85GB!!(゚A゚;)ゴクリ
基礎編
基礎編では、Mayaを使う上で必要なCG用語の解説、基本オペレーション、インターフェイスの説明、シーンの管理方法、モデリング、UV展開、シェーディング、ライティング、カメラ、レンダリングなど非常に幅広く紹介されています。
初めてMayaを触る人、MAXなどからの移行する人にとっては、読み進めるだけで、主要な操作や機能を見ることができます!!
1~3章
ただ基礎操作の紹介があるだけでなく、合間に「やってみよう!」が用意されておりかわいいイノシシを作ることができます!(*´ω`*)
意見が分かれそうですが、個人的には初めて作るモデルの難易度としてはすごく良いとお思います!!好きなキャラクターを作ってみるなどモチベーション的には良さそうですが、難しくて挫折してしまうのをよく目にしています。
4章
4章では最近目まぐるしく機能が変わった、マテリアル、ライティング、レンダリングについて書かれています。オブジェクトをわけてレンダリングして合成するところも書かれていていいですね!古参ユーザーでも、Light Editor、新Render Layer、Arnoldあたりは、一度目を透しておくと良さそう!っと思いました。レンダリング時間の予測の仕方とかもいいですね!(*´ω`*)
章の最後では、なかなか難しい室内のライティングを題材に、ノイズの除去、ライトのAOVを作成してPhotoshopで調整する例が紹介されています!部屋のモデルもあるので、ライティングと、レンダリングの設定だけに集中することが出来ます!部屋がオサレで綺麗!∠( ゚д゚)/
5章
5章ではアニメーションについて書かれています!題材は、「ボールのバウンド」と「キャラクターアニメーション」。アニメーションをやる上で必須なGraph Editor・Dope Sheet・Time Sliderの操作を始め、僕はほぼ使っていませんが、Animation Layer、Trax Editorまで、オールラウンドに書かれています。
ただキーを入れるだけでなく、Graph Editorでカーブを調整して、動きのタメツメ(動きの緩急)を意識してつくようになっているのは良いですね!アニメーションの構成を意識できるように、各コマの絵や軌跡が見れるのもGOODです!
リグもゴテゴテしすぎず、必要最低限なのでとっても練習しやすそうです!
6章
6章では、スケルトンの作成、スキニング、リギングについて書かれています!このあたりは特に繊細な工程で嫌いだったり苦手な人が多いと思いますが、チャントポイントが押されられていて、Jointの方向や、名前をチャントつけてミラーを楽にしたり、効率的なウエイトの塗り方を見ながら実体験できそうです。
いきなりダミーがあるのはちょっと心配ですが、方向を合わせるために必要なところでもあるので、ゆっくり丁寧に読み進めると良いと思いました(*´ω`*)b
作例編
1章
ローポリゴンで、今どきのゲームにでてきそうなデザインのキャラクターの作例が紹介されています!Wireframeの感じや、UVの感じ、テクスチャの書き込み具合、リグの雰囲気は、仕事でみるみるー!って感じです。
しかも、いきなりゴテゴテに作り始めちゃう人をちらちら見ますが、素体作り→ラフモデル作り→作り込みっという流れで紹介されていて、モデリングの流れが仕事っぽいなっと思いました!
本で紹介仕切れない点もありそうですが、完成品のデータをこねくりまわすだけでもかなり勉強になるかと思います(`・ω・´)ゞ
2章
ハイポリゴンで、フルCG映画にでてきそうなキャラクターの作例が紹介されています!生半可なPCではちょっと重いかも・・・っと感じるハイモデルです!
毛は、「塔の上のラプンツェル」「ボルト」「トイ・ストーリー 3」で使用した技術「XGen」を使って作り「aiStandardHair」で質感を付けています。制作準備、ベースモデルの作り方、作り込み、服の作成方法、UVとテクスチャの分配方法、質感設定、リグの作成と細かく書かれ、サンプルデータも工程ごとに12分割されています!
あれ?これ
表紙のキャラクターだ!!
是非、一通り慣れてきたらチャレンジしてみてください!∠( ゚д゚)/
3章
SFの背景をモチーフに、ハードサーフェイス系の背景制作です。物量が多いものなので、いかに効率よく限られた時間で作るか考えられています!
ハードサーフェイス系のモデリングは、スムースをかけた時に丸くならないように入れる「止のエッジ(勝手に命名・・・)」が重要ですね!本書でも、制作前に基礎編として作例が紹介されています。慣れるまではとてもややこし・・・でも慣れてくると、結構法則的になってくるんですよね∠( ゚д゚)/
デザイン画をラフなモデルに貼り付けて、ユニットの計画を立てたり、プラモデルのパーツを作りながら組み立てるような感じの作例になっています!こういう考え方は、非常に重要だと思います!
あれ?これ
表紙の背景だ!!
総評
アップデートの度にメニューや機能が変わり、過去の書籍でMayaを学ぶのが難しい中、ついにMaya2018を使ってMayaを学べる本がでました!英語の情報が多い中、日本語で学べる点も大きいと思います!ただ、CG会社で使用しているMayaは、ほぼほぼ英語版かと思います。操作は体が覚えるのであんまり関係ないかもしれませんが、CGで就職を考えている方は念頭においておいた方が良いと思います。
各チャプター毎に、始まりと終わりのデータが用意されているので、素早く勉強を始められ、うまく行かなかった時も見比べることができます!それ以外にも、データを見るだけでもかなり勉強になるかと感じました。ライティングの章で使う室内のモデルを参考にして部屋を作ったり、作例のキャラクターを使ってアニメーションを練習したりなどなど。
とても幅広いの内容ですが、初・中級者がターゲットかと思われます。この書籍で、Mayaの全体を学びそつなくオペレーションができるようになったら、「Maya実践ハードサーフェスモデリング:プロップと背景から学ぶワークフロー」「マヤ道! ! : The Road of Maya」など別の書籍で、各分野の知識をさらに深めてくと良いと思います!
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